2013.12.21
敷金[自己破産、不動産]
1 賃貸人の破産において、賃借人の敷金返還請求権は、賃貸借契約が終了し、
目的物を明け渡すことを停止条件とする破産債権となります。
敷金返還請求権は、破産債権としての届出をしても、①最後配当の除斥期間
満了までに賃貸借契約が終了し、かつ②明け渡しが終了しなければ、配当から
「除斥」即ち配当を受けられません。
2 通常、敷金返還請求権を有している賃借人は、破産管財人に対し、敷金返還
請求権の限度で賃料弁済額の寄託を請求しています。
その場合、1の①②の条件を満たし、相殺の意思表示をして寄託金の返還を
受けることで、事実上敷金の返還を受けることができます。
3 1の場合、破産管財人は配当表では、備考欄に明渡未了等停止条件不成就
のことを記載します。
4 私は、賃借人に、敷金の回収不能にならぬように、不安の抗弁権のことを伝え
るようにしています。