その他

2014.06.02

司法修習生 [その他]

先日、第67期の弁護修習が終了したので、今年も、修習生に、感想文を提出
してもらいました。
私が弁護士登録をして30年目ですので、来年からは担当をしないことにして
います。

「誇張」もあるかもしれませんが、基本、感想文に手は入れていません。

弁護修習感想文
 4月2日から5月30日までの間、弁護修習として北薗法律事務所にお邪魔させていただき、起案等のご指導を頂きました、第67期司法修習生です。
 短い期間ながら、多くのことをやらせていただきましたので、以下、感想を述べさせていただきます。

1 民事弁護起案

  文章を読むだけでなく、自分で書かないと身につかないということで、他の法律事務所における弁護修習に比べ、格段に多くの起案をさせていただきました。その場にある事件の資料を題材にして起案内容を決めるらしいのですが、起案しても起案しても、次の日には課題が頂けました。
 おかげさまで、民事弁護だけで、22通も起案させていただけました。
 
 しかも、その起案を全て北薗先生はご覧になり、添削してくださりました。
 北薗先生のお出しになる課題は、ただ教科書を読んでその内容に沿って書くだけでは十分でなく、実務上の注意点を踏まえていないときちんとしたものを書くことができないものが選ばれています。
 添削の際には、それらの注意点についてもご指導いただくことができ、弁護士として書面を作成することの難しさ、奥深さを感じることができました。
 本当にありがとうございました。

 特に、北薗先生は破産管財事件を多く手掛けていらっしゃることから、破産管財事件に関する起案を行うことができ、その第一人者である北薗先生にご指導頂けたことは、非常に貴重な経験でした。

2 民事弁護活動

 弁護修習では、多くの起案をさせていただけただけではなく、打ち合わせや法律相談、弁論準備手続などの弁護活動にも同席させていただきました。

 打ち合わせや法律相談では、北薗先生はその事案において重要な点を把握していらっしゃるため、難しい問題であっても、円滑に話が進んでいました。
 私は、事前に参考資料を拝見していたにもかかわらず、話についていくだけで精一杯で、自分はまだまだ未熟であると感じました。
 十分な聞き取りのためには、その事案についての十分な知識が必要なので、これからも知識の研鑽を怠らずに、努力しなくてはならないと痛感しました。

 さらに、北薗先生に同行させていただくことで、司法書士や金融機関の担当者の方など、多くの方々の信頼と協力によって、弁護士業務は行われていると感じることができました。
 依頼者と信頼関係を築くことの重要性は、かねてより言われていることではありますが、依頼者に不利なことも言わなくてはならない弁護士にとって、信頼関係を築くことは不可欠であるとわかりました。

3 刑事弁護活動

 北薗先生自身は刑事事件を担当されてはいないのですが、私が刑事事件に携わることを希望していたので、A先生、B先生、C先生にご指導をご依頼していただきました。
 おかげさまで、8件もの刑事事件に携わることができました。
 
 刑事弁護においては、自白事件であるか否認事件であるかによって弁護方針が全く変わってしまうので、被告人の主張を十分に聞き取ることが重要ですが、被告人が状況を理解していない場合もあり、思ったより難しいと感じました。
 だからこそ、自白事件であれば十分に反省していること、否認事件であれば捜査や証拠に問題があることを、弁論要旨や被告人質問で裁判所に伝えることは、弁護人の重要な役割であると実感することができました。

 なにより、かねてより希望していた、ロースクールでは同席できなかった秘密接見に同席させていただけたことは、非常に嬉しいことでした。
 それだけでなく、検察庁における任意開示や裁判所による事前協議にも同席させていただき、他の修習生と比べても充実した刑事弁護活動を行うことができたと確信しています。
 ご自身の担当される修習生ではないにもかかわらず、ご担当されている刑事事件を紹介してご指導くださったA先生、B先生、C先生、誠にありがとうございました。
 そして、ご指導をご依頼してくださった北薗先生に、深く感謝申し上げます。

4 弁護修習全般

  弁護修習においては、修習生がそれぞれ一人ずつ、異なる法律事務所に伺うことになるので、検察修習や裁判修習のようには、気軽に他の修習生の方々の状況を知ることができません。
 それにもかかわらず、お世話になる法律事務所によって指導方針が違うので、自分の状況を知るためにも、他の修習生の方々と情報交換をすることが必要となります。
  そんな中、ラインやメール、飲み会やクラス旅行等で、定期的に修習生同士で互いの状況などの情報交換ができたことは、とてもありがたいことでした。一人で弁護修習を過ごしていたからこそ、修習生同士のつながりがいかに大切かということをあらためて感じることができました。
  さらに、北薗法律事務所の勤務弁護士の方々には、質問に答えていただいたり、昼食にご一緒させていただいてご馳走していただいたりと、優しく見守っていただきました。
 事務員の方々にも、事務所で過ごす際に必要なことについてご説明いただくなど、とてもお世話になりました。
 北薗法律事務所の皆様に温かく迎え入れていただきましたおかげで、楽しい日々を過ごすことができました。

5 最後に

  2か月というとても短い期間でしたが、多くの方々に支えられた、幸せな弁護修習でした。
この弁護修習で学んだことを活かし、残りの修習、そして弁護士になることができた後も、日々努力してまいります。
 本当にありがとうございました。

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