その他

2014.04.09

車両の引き揚げ[自己破産]

1.破産管財人に選任された事件で、破産会社が使用していた
 所有権留保車両の引揚があり、勤務弁護士が立会いました。

2(1)所有者(車両リース会社)が依頼した車両引揚業者の担当
  者と、車両のある現場で待ち合わせ、まずは、担当者に破産
  管財人が破産会社から引渡を受けて保管している①車両の
  鍵(スペアキーも含む)、②自動車検査証、③自動車損害賠
  償責任保険証明書、④保証書、⑤リサイクル券、⑥整備手帳、
  ⑦取扱説明書を渡し、確認して頂きました。
 (2)次に、担当者が引揚車両に、⑧スペアタイヤ、⑨工具一式、
  ⑩発煙筒、⑪停止版が車載されているかを確認されました。
 (3)引揚車両の内1台について、リサイクル券が無いものがあり
  ましたが、再発行が可能であるため、問題はない(所有者側で
  再発行される)とのことでした。
   また、整備手帳、保証書、取扱説明書が無いものもありまし
  たが、これも問題ないとのことでした。
 (4)停止版は、積載義務があるものではなく、当該引揚車両も
  載せていませんでした。

3.一方、破産会社に対して、車両引揚の前に、車両内の私物を
 全て出して頂くようお願いしておりました。
  今回、私物のほとんどは既に出されていましたが、保険関係
 の書類等が車載されたままでしたので、勤務弁護士が引き
 取ってきました。

4.以上の確認後、破産会社が所有者へ車両を返還する旨及び
 返還車両内には破棄していい不要物以外私物が無い旨を明記
 した書面を、引揚業者を介して所有者に提出しました。
  また、引揚業者からは、破産会社宛の自動車受領書を受け
 取りました。

5.今回とは異なりますが、車両を割賦販売で購入した買主が、
 ETC、タイヤ、ホイール等を車両に取り付けている場合があり
 ます。この場合、車両引揚の現場ではこれらの取り外しができ
 ないため、車両の引揚後に買主と返還方法を調整するようです。

6.「所有権留保車両の引揚」は破産事件では珍しくないことです。
  スムーズな引揚のために、事前準備すべきことを知っておく必
 要があります。
  今のところ、破産管財人に選任されている別の案件で、破産者
 が遠方に引越しをしたため、リース物件の引揚に対処を要するも
 のがあります。
  今回引揚現場に立ち会った勤務弁護士は、次は私の指示が
 無くとも、事前準備を整えることができると思います。

entryの検索