その他

2012.10.26

準備書面の分量 [その他]

1 岡口判事のtwitterを読んでいたら、判例タイムス1367の4ページ以下に、準
  備書面の分量に関する論文があることがわかりました。

2 次のようなものです。
 
 (①~⑤は最高裁参事官の発言、⑥~⑦は弁護士(現最高裁判事)の発言です)

  ① 準備書面の分量制限の施策というのは、裁判官のみならず、弁護士の方
     々から率直なご意見も踏まえて提示している
  ② 裁判官のアンケートでは、裁判例を長々と引用したり、ひたすら自己の主
     張を繰り返したり、無益な事情を記載するなど、準備書面が不必要に長く、
     中身のないものが散見される
  ③ 当事者としては、主張の分量で相手方を下回るわけにはいかないと考え
     るために、同程度の分量で反論せざるを得ないとの指摘がある
  ④ 研究者の方によると、大手事務所のいくつかは、書面のページ数でフィー
     を 計算しているとそうで、それが、裁判所を苦しめている大きな原因であろ
     うと思う。依頼者にとっても無駄金を払っているわけで、それが良いかどう
     か考えなければならない。
  ⑤ 最近は、仕事にかかった時間に比例して報酬を請求する弁護士事務所が
     増えている。分厚く重たい書面をどこまでありがたいと思うか、依頼者も考
     えどころだ、
    ( と述べたうえ)
     米連邦最高裁では、分量はもちろん、印刷の形式から添付する表紙の色
     まで規則で決まっている。枠内で主張をまとめられないものは、それだけ
     で法律家失格とみなされる
  ⑥ 準備書面の分量制限の関係でいわれているケースは、相手方がやたら
     分厚い準備書面を出してきたから、こちらも自分の依頼者が心配したり、
     手を抜いているような間違った評価をされても困るから、さらに分厚い書
     面を出す・・・・なんてつまらない話を.、ここで真剣にしなければならない
     のかというのが、というのが私の率直な気持ちです
  ⑦ もうひとつの局面は、当事者が中身のない準備書面、見せかけだけ大部
     の準備書面、同じことを繰り返し書いてある準備書面、こういう争点に照ら
     して過度に大部な準備書面を提出してきた場合、どのように扱うべきかとい
     う裁判官の悩みです

3 私も、準備書面は、一読して論理、趣旨を了解するのは、10ページ程度が限
  界と思います。

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