2012.05.05
固定資産税 (不動産)
1. 固定資産税が未払になると、該当不動産の差押がされることが多い。
2. しかし、通常は優先権のある抵当権が設定されているので、国税徴収法上の
「無益差押」 である場合が多い。
3. 破産になれば、優先債権、財団債権、優先権のある財団債権と取扱が分かれる。
しかし、任意売却されず、財団放棄されると法人の場合は、抵当権があると、競売
による所有権移転がなされるまで未納のまま未払が増加していくことになる場合
が多い。この場合も抵当権に劣後するため、未払額はそのまま残ることになる。
4. 収益執行が開始されると、開始日以降は「不動産に対して課される課税」
(民執106・①)として支払がされることになるので、3の財団放棄されたときに
異なり回収が可能となる。
5. 競売による所有権移転の場合は、例えば、津市の不動産が仮に1月4日に旧所有者Aから、新所有者Bに所有権移転しても、平成24年1月1日にAが所有者であった以上、AはBに1月5日分以降の固定資産税の負担請求はできないというのが裁判例である。
6. 不動産の売却の場合は、合意により所有権移転の日で日割清算をするが、この場合と競売の場合を同様に解することは出来ない。
7. 相続人不存在で、抵当権の設定がない不動産の場合、相続財産管理人を選任申立して売却することで
未納額の発生を防止し、売却代金より支払をうけて回収することが考えられる。
8. 私は、今のところ固定資産税回収のための相続財産管理人をしたことはない。