2012.02.25
緊急自動車と過失相殺 (交通事故)
1. 「赤い本」の講演録24年分に緊急自動車と過失相殺のことが掲載されていました。
2. 緊急自動車との関係では、一般車両に避譲義務が課されています。
一般車両に対して、緊急自動車が優先することになっているのです。
そこで、通常の事故の過失割合と同様に考えてよいかどうかということが問題になります。
3. 例えば、緊急自動車が、赤信号を通過して交差点に進入した場合、青信号で進入した一般車両との過失相殺はどうなるかという問題です。
4. 緊急自動車は、一時停止義務について法は、「緊急自動車は、法令の規定により停止しなければならない場合においても、停止することを要しない。」と規定し、赤信号や踏切などでも停止しないで通行できる特例を認めています。
だたし、この特例規定は、後段に「この場合においては、他の交通に注意して徐行しなければならない。」と規定している関係で過失割合の問題が生じます。
5. 私は津地方裁判所松阪支部で、緊急自動車と一般車両の事故の損害賠償を担当したことがあります。
緊急自動車側の代理人で一審、控訴審と過失割合のみが争点となりました。