2011.06.15
債権の相続
1 債権は、相続により、法定相続分で分割されて相続されます。
預金は「預金債権」であり、分割されて相続されることになります。
2 債務も、分割されて相続されます。
3 ところで、預金については、遺産分割においては、実際は、払戻し
はされないまま調停申立をされることが少なくありません。
遺産分割が解決せず長期化する場合に、預金のみの支払いを求
めて、金融機関を被告として、訴えを起すこともあります。
その他の債権も同様です。
4 いずれにしても、相続人が各自、自己の法定相続分に応じて相続
する部分について、払戻しを請求することができます。
ところが、金融機関は、相続人全員の同意がないと払戻し請求に
応じないことが多いため、結局法的手続をとることになります。
5 遺産分割においても、調停の場合はともかく、遺産に含めて解決
する旨の相続人全員の同意がなければ、審判はできません。
6 債務についても分割されてしまうので、債権者である金融機関は、
相続人の1人に対し、全額の債務引受を求めることがあります。
債務引受をする相続人は、債権の発生原因たる事業や不動産を
単独相続した者がなる場合が多いです。