弁護士北薗のBlog

2017.02.09

交通事故(損害賠償請求事案)のあれこれ

1(1)自動車保険の「弁護士費用特約」が普及した関係で、過失割合(事故態様)が争いとなる物損事案(損害賠償請求)について、裁判にまで至ることが多くなりました。

(2)裁判では、訴状提出後、当事者が答弁書、準備書面、証拠を提出した段階で(当事者の尋問を経ずに)、裁判所より和解案が提出されて解決に至ることもあります。中には、和解に至らず、当事者の尋問をした上で判決となることもあります。

2(1)最近依頼を受けた、むち打ちなどの神経症状が遺った人損事案において、後遺障害等級認定非該当に対する異議申立てが認められました。

近似、後遺障害等級認定「非該当」の結果に対する異議申立てが認められ、後遺障害等級「14級」の認定を受けるという事案が増えてきた気がします。

(2)14級の慰謝料の裁判基準は110万円です。慰謝料に加えて、逸失利益(障害に起因する労働能力減少に伴う収入減少による損害)も支払われますから、非該当となるか14級の認定を受けるかで、約150万円程度の差があることになります。

3(1)事故で歯を欠損した場合、3歯以上に対し「歯科補綴(欠損部分を人工物で補う治療)」を加えたことが14級の認定の基準になっています。

補綴が2歯以下の場合には、14級に至らない後遺症として、状態に応じた後遺症慰謝料が認められるかが問題になります。

(2)歯の欠損で後遺障害等級14級の認定を受けた場合、逸失利益が認められないことが多いです。その場合、神経症状の後遺障害の場合と異なり、基準額110万円を超える慰謝料が認められることがあります。

当事務所でも、裁判所の手続をとることにより、110万円より多い慰謝料の支払いを受けられたことがあります。

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