2016.09.19
相続放棄をする場合の自宅の取扱い
1.先日、司法修習生の選択型実務修習における、家事事件(相続)の講義を実施しました。
2.事前課題として回答を求めていた設問の大まかなテーマは、以下のとおりです。
(1)遺贈の自筆証書遺言で遺産(不動産)の登記完了までの業務
(2)遺産分割における遺産の評価の基準時と調査方法
(3)遺産における「使途不明金」問題の注意点
(4)遺産整理の手順
(5)相続放棄の場合の自宅の取得方法
3.特に、(5)に関しては、被相続人(夫)の相続放棄をした妻と子が、夫名義の自宅に住み続ける方法を問う設問でした。
(1)自宅の住宅ローンは生命保険で完済し、妻が夫の生命保険を別途受領した場合を前提とする設問でした。
(2)後日、選択型実務修習の破産管財の講義も担当することになっていますので、同設問については、自宅に住宅ローン以外の(第2順位の抵当権設定)がないことを前提とし、後順位抵当権者との関係については、破産管財の講義で取り扱うことにしています。
4.一応予定していた回答は、以下のとおりでした。
(1)相続人が不在となることによる①相続財産管理人の申立、及びその②費用(予納金。但し相続財産に一定額の預金があることが判明していれば不要)
(2)①相続財産管理人による権限外許可の申請、及び②登記手続
もっとも、権限外許可について回答できた修習生はいませんでした。
5.なお、遺産分割(遺産整理)の設問の回答の中で、不在者財産管理人選任の申立について触れることができていた修習生がいましたが、やはり権限外許可についてまでは、回答がありませんでした。
6.修習生にきいたところ、家庭裁判所修習期間は非常に短く、また離婚事件が多かったようで、別表第二の事件について実務に触れる機会が少ないようでした。