中小企業法務

2013.10.09

差押の競合 [中小企業法務]

1 最優先の抵当権者として、賃料の物上代位による差押をしたところ、
  後順位の抵当権者や一般債権者の差押が先行していることがあり
  ます。

2 このように、差押が競合した場合、第三債務者は、賃料について、
  毎回、①法務局に供託したうえ、②裁判所に事情届を提出しなけれ
  ばなりません。

3 裁判所は、賃料3か月分程度毎に、配当事件を立件して、債権者ら
  に配当を行うことになりますが、配当は実体法の順序で行われるの
  で、手続費用を除いて、最優先の抵当権者に全て支払いがされるこ
  とになります。

4 最優先の抵当権者は、裁判所からの書類をもとに法務局で供託金
  の支払いをうけることになるので、書類等について裁判所や法務局
  との連絡が、配当毎に必要となります。

5 ところで、後順位の差押債権者が差押の取下げをすると、
   ア 供託等の手間       (第三債務者)
   イ 配当事件の立件の手間 (裁判所)
  が省けることになります。

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