2012.09.29
寄与分 [相続・遺言]
1 東京家庭裁判所の遺産分割専門部の記載した論文(判タ)をすこしづつ拾い読みしています。
2 「寄与分を主張する皆様へ」に要件として5つ記載してあり、5番目が「客観的な資料で証明できること」とあります。
具体的には、『寄与分の主張をする相続人は、誰が見ても、もっともだと分かるような裏付け資料(「証拠」,「書証」といいます)を提出し、特別の寄与があることを自ら立証しなければなりません』と記載されています。
3 「寄与分主張のポイント」として、例として3つの場合があげられています。
介護の場合は、以下です。
(1) なぜ同居することになったのか、その経緯。
(2) 介護をした時期。同居を始めた日や要介護認定を受けた日、退院した日。
(3) どんな介護をしたのか。
(4) 対価(何らかの利益)を得ていないかどうか。
(5) 疾病などで療養や介護を要する状態だったこと。
(6) 同居やそれに伴う家事分担だけでは、特別の寄与とはいえません。
(7) 仕事のかたわら通って介護した場合などは親族としての協力の範囲であって、 「特別」の寄与とはいえず、介護に専念したと いえることが必要。
(8) 入院・施設へ入所していた場合、その期間は原則として寄与分が認められません。
(9) 寄与分の主張をする人が被相続人の収入や資産によって生活していたときは、寄与分が認められないことが多いです。
4 証拠資料も例示されています。
診断書,要介護認定通知書
介護サービスのケアプラン,介護サービス利用票,施設利用料明細書