2011.07.14
逸失利益
1 30才未満の若年者の基礎収入については、事故直前の収入でなく、
全年齢平均賃金または学歴別平均賃金によることが多い
若年労働者は、就労を継続することによって、収入増が期待できる
ので、長期の喪失期間の損害を、事故直前の実収入を基礎として
算定することは、損害の公平の分担の見地からみて、妥当とはいえ
ないからです。
2 学生や家事労働者の場合は、全年齢平均賃金または学歴別平均賃
金によって処理されており、その均衡ということも理由といえます。
3 然るに、若年非正規雇用者は、将来も平均賃金程度の収入を得られ
る可能性がない場合があるので、その可能性が認められない場合に
は、基礎賃金を、全年齢平均賃金の相当割合にすべきとする裁判官
の論文が話題となり、保険会社側も、そのような主張をすることが多く
なってきています。
4 逸失利益は、
①基礎収入 × ②喪失割合 × ③逸失期間
で算定されますが、いずれの要素も、支払側と被害者側で争われる
余地があり、基礎賃金についても争われる余地が十分あるため、
弁護士に相談することを検討すべきと思います。